日 録
2025年9月9日(火)
重陽の節句である。菊の節句とも呼ばれ菊酒などを飲んで不老長寿や家族繁栄を祈るという。今日は通院日だった。注目はヘモグロビンの数値である。基準値の下限にはあと少しだったが前回よりも上がっていた。
先々回と先回合わせて182日分(1日2錠だから364錠)を処方してもらったが最初の4、5日飲んだだけで腹痛吐き気のためにやめていた。在庫はたっぷりである。お医者さんにその旨を正直に話すと数値と見較べて、「その副作用女性に多いようですが、まぁやめましょう。大丈夫でしょう」と言ってくれた。薬が一つ消えた。その申し訳のようにお医者さんには「肉、たくさん食べています」と報告した。納得してくれた。
余談ながら配偶者に今夜のメニューは何? と訊くと「レバニラ炒めです」と即答された。
2025年9月2日(火)
猛暑が続く。「夢の薫風」も5章(60枚くらい)まできた。55,6年前の記憶を掘り出すのは至難だが、嘘でいいんだ嘘を書けという天の声が聞こえてくる。すなわち、絵文字が純文学と読めてしまう後期高齢者である。病膏盲に入るとはこのことかと思ってしまった。
2025年8月22日(金)
夕方しのぎやすくなった頃合にドラッグストアに出かけた。たかだか1000円程度の日用品を買うためだが22日のこの日はポイント22倍の日なのである。しばらく走ってからスマホを忘れたことに気付いた。スマホ内のアプリを提示しないとポイントが付かない。取りに戻った。
買い物が終わったあとレシートを確かめると22倍が反映されていない。迷った末にここでもレジに戻った。聞けばアプリの会員証は見せたがクーポンは見せなかったことが原因らしい。店長らしき人が出てきて22倍は無事ゲットとなったが遥かな道だったような気がする。「高齢者のポイ活」なんて慣れないことはするものではない。
2025年8月19日(火)
猛暑再来。17日にやっと新しいエアコンを取り付けてもらった。推定で25年使用している物ともおさらばできた。寿命の2倍以上も使ってきたので、効きの悪さもさりながらいまや専用回線・専用ブレーカーが法律で義務付けられているという。その工事も行ったので設置には約2時間を要した。新しいエアコン、外は猛暑なのに居間は冬さながらに冷えていく。驚きであり、ずっと我慢してきた慣れとはおそろしいものである。
堀川惠子の『暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ』(講談社文庫)が届いた。いま4棟残っている被爆建物・旧陸軍被服支廠で軍服や軍靴がつくられ宇品港から戦地に運ばれていった。薫風寮があったのはその赤レンガの建物の一角だった。何かヒントはないかと思っている最中に学生時代からの友人Y君が教えてくれた。ネットで注文したあと商業施設の本屋さんに立ち寄ると文庫の棚にその本があった。勘が当たったので勇んで棚から取り出したところその本はビニールにくるまれて開けることができないのだった。こんな硬派の本にまで、とはじめての経験に驚いた。繙く前のささやかなエピソードであった。
以上驚きの「二題」でした。
2025年8月8日(金)
朝軒下にハチの巣を見つけた。巣の大きさは両掌で包み込めるほどでビニールの庇の内側だから棒を延ばせば届くし、ジェット噴射の駆除薬も十分届く。ネットで調べると夕方から暗くなってからやるといい、と書いてある。自分でやるかといったんは思いもう一度双眼鏡で覗くと頭の黄色い大きな蜂である。これが仮にスズメバチならば大いに危険をともなう。市役所では駆除はしないが防護服を貸し出してくれるという。暑いなか白い防護服を着てジェット噴射をまき散らす自身の姿が浮かぶが、これはなかなか「絵」にならない。いろんなことが押し寄せるものである。
2025年8月5日(火)
体感温度はすでに40度を超えていた13時ごろ、買い物を済ませて戻るとさっき最寄り駅まで送って行った娘から二人のスマホには電話やメールがいくつも入っていた。出勤前に立ち寄ったドラッグストアで突如呂律が回らなくなり店員に救急車を呼んでもらった。いま救急車のなかで受け入れ先を探してもらっている。迎えに来てもらわねばならない。早く返事を、というものである。救急車とはただ事ではない。猛暑のなか再び車を走らせた。原因は貧血、急患室で点滴を受けていた。血液検査の結果表をみるとヘモグロビンの値が6.2まで下がっていた。脳の異変を予想したが貧血でも呂律が怪しくなるものなのだ。幸いその後は普通に過ごしている。
2025年8月1日(金)
朝から雨の予報だったので5時にはスイカ畑に立って片づけを開始した。ことしは猛暑のおかげなのか甘くて美味しいスイカがいくつもできた。植えるところはすべてTさんに任せっきりだったのでせめて後片付けくらいはと思い、今日のこの日に決行した。ビニール掛けやマルチや雑草除けのシートをはがしながら畑の設計は芸術的だなぁと改めて感動していた。
ところで5キロ級のスイカが5個ばかり隠されていたのにはびっくりした。最後にまた贈り物をもらった気分である。3時間近くかけて片づけが終わったころちょうど畑にいたTさんに鑑定を依頼した。叩いてみせてくれ、甘いでしょうとのお墨付きをもらったのはとびっきり大きい2個であった。
夕方になっても雨は降らなかった。台風が東の海に逸れていったからなのか。雨が欲しかったのにこれは残念。