Yukiaizaka
行逢坂

渓流の名を三滝川といった。
山道が急に左に折れ曲がり、
深い谷を見下ろす崖に突き当たった。
そこに立て札が立っていた。
山頂に観音堂を据えた御在所山中に
蒼滝、百闡黶A潜り戸の滝の三つがあり、
それを源とするからこの名があるというのだった。
観音堂が建てられたのはたったの百年前で、
この地はもともと
出雲の山王様と比婆の山王様が同じ三月申の日の申の刻に
行き逢ったところとされている。
すなわち二つの国の境であった。

「行逢坂」(「作品」1981年3月号)より 




三段峡(広島県安芸太田市)



◎発刊の弁 「見えざる記憶」

ご感想をお寄せください
 

☆エッセー

「忘れがたい人たち」

「守護神」

「ふたつの〈燕〉」

「まぼろしの店」

「傾斜」

「記憶からの風景」

 

 


 

 

 

 

☆小説
 夢の往還

@「日傘の女」
(其の壱) A「同級生」(其の弐)

B「織る女」其の参)
C「非時の宿」(其の四)
D「時間」( 其の伍)
E「広島ナンバー」 (其の六)
F「にせタクシー」(其の七)
G「母の手紙」(其の八)
H「
ハンプティ・ダンプティ」(其の九)
I「口笛と記憶」(其の壱拾)

追憶

@「貧困なオネーギン」




旧掲示板への投稿文一覧

  
Copyright ©2001〜2024 Fukumoto Junji All rights reserved.